全国一!?ユニークな風呂屋

梅香地域にある千鳥温泉。いろんなタイミングが重なり、2017年9月に地元此花で風呂屋の大将となった桂さんにインタビューしてきました!

f:id:konohana-machikyou:20210915172532j:plain

○引き継いだきっかけ

次の引き継ぎ手が見つからず千鳥温泉が無くなるかもしれないと知った時に「自分が風呂屋をやったら、ひょっとしておもしろいんじゃないか」と思ったそうです。銭湯経営は未経験でしたが、大好きな銭湯をもっと楽しめるかも!?というふつふつとした思いから、引き継ぐことを決めたとか。

実は、桂さんは生まれも育ちも西九条。そう!子どもの頃からお風呂屋さんが好きで、幼少期は西九条温泉(古くは三倉湯。現在は廃業)へよく行ったそうです。そんな銭湯好きはとまらず、銭湯ファンと一緒にまち歩き銭湯ツアーを企画。此花のローカルなお店やお風呂屋さんを知り尽くした!?案内人として大活躍されていました。桂さんの「銭湯が好き!」という気持ちが、いまの千鳥温泉に繋がっているんだな~と感じますね。

f:id:konohana-machikyou:20210915172615j:plain

インタビュー風景(写真右側が桂さん)

 

○好きをカタチに!ユニークな取り組み

好きなことへの愛が溢れる桂さん。千鳥温泉でのユニークな取り組みは、桂さんの多くの趣味が原動力になっています。

自転車湯

桂さんは、自転車好きでランドナーや折り畳み自転車で銭湯へ行くこともしばしば。しかし、入浴時に自転車が盗られないか心配だったそう。この経験から、千鳥温泉では入浴中は大切な愛車を預かるサービスを導入したようです。自転車好きの方も来やすいように工夫されています。

f:id:konohana-machikyou:20210915172707j:plain

店内奥にある自転車を預かるスペース

 

読書湯

湯船で読書できる銭湯って、なかなか無いですよね。ところが、千鳥橋駅の近くにあった八木温泉(現在は廃業)では湯船に浸かりながら読書することができたそうです。「自分も湯船と水風呂を無限ループしながら、本を読むのが好きなんです」と思いを秘めていた桂さんは、千鳥温泉でも本の持ち込みをOKに!実際、読書湯を楽しまれる方は少ないそうですが…わたしは是非楽しみに行きたいな~と思っています!

f:id:konohana-machikyou:20210915172742j:plain

ブルース湯

桂さんは音楽も好き!千鳥温泉をステージに、ライブが開催されることもあるそうです。チケットが入浴券付きで販売されているので、ライブで盛り上がり汗をかいて、汗を流して帰る(定休日のライブの場合は後日入浴)。新しいライブの形ですね!

f:id:konohana-machikyou:20210915172809j:plain

鏡広告

曇って見えづらくなっていた千鳥温泉の鏡。お客さんからも「取り替えてほしい」と言われていました。しかし、ぜんぶ取り替えるとなると莫大なコストがかかるのでどうしようか悩んでいた時に、鏡広告の存在を思い出したそうです。「鏡広告なら貼り替えられる上に広告料を貰うことができる!」と思い、広告社に電話しましたが「今は鏡広告の需要ないけど、やれ言われたらやりますよ~」と言われました。そんな時に千鳥温泉の近くにある“シカク”に声をかけてみると、鏡広告をだしてくれることに!できあがった鏡広告をSNSに載せたところから火が付き、すべての鏡を鏡広告で貼り替えることができたのだとか。昭和レトロで味のある鏡広告、みなさんも是非見に行ってみてください!

f:id:konohana-machikyou:20210915172839j:plain

この他にも、劇団とのコラボ公演やマットプロレスや写真展なども開催されたことがあります。現在は、なんと!じゃりン子チエとコラボ制作した“チエ千鳥Tシャツ”を販売中です。こういった取り組みは、千鳥温泉ならではですね。桂さん曰く「せっかく自分の場所があるから楽しいことはどんどんやりたい!」とのこと。今後もどんなユニークなことが開催されるか楽しみですね。

f:id:konohana-machikyou:20210915172919j:plain

写真展

 

f:id:konohana-machikyou:20210916091855j:plain

“チエ千鳥Tシャツ”は3300円で販売中

 

○助けてもらったことで広がったコミュニティ

引き継いだ当初は、営業終了後に3時間程かけて夫婦で風呂掃除をしていたそう。「腰は痛くなるし体力的にもしんどくて続けられる気がしなかった」と当時の思いをお話してくださいました。引き継いで1か月くらい経った頃に、Twitterで風呂掃除を手伝ってくれる人を募集したようです。ただのアルバイトではなく、“毎晩掃除を手伝ってくれたら千鳥温泉入り放題の住み込み部屋あります”(住み込み部屋は千鳥温泉の中2階にある物置き部屋からスタート!)という内容。なんと3か月後に、此花に勤めている30代の男性からメッセージがあり、風呂掃除を手伝ってくれるように!そのあとも1人また1人と手伝ってくれる人が増え、すごく楽になったそうです。住み込み部屋も、千鳥温泉の中2階にある物置き部屋や2階のアパートだけでは足りなくなり、近隣の空き家を借りて銭湯のあるまちに暮らす新しい展開が生まれています。

f:id:konohana-machikyou:20210916091931j:plain

千鳥温泉の店内奥

 

そんなこんなで、風呂掃除を手伝ってくれる人を募集したことは桂さん自身が千鳥温泉を継続するために取った策でしたが、これをきっかけにいろんな思いを持った若者たちが集まる流れがひょっとして生まれているかも!?芝居をやっている人、ミュージシャンを目指している人、喫茶店を開きたい人など、様々な夢を語る若者が銭湯暮らしをはじめていました。その後、此花で活躍している若者もいるのだとか。「梅香では、おもしろい動きがあるな~と思う」と仰っていた桂さん。千鳥温泉に集う人たちも楽しそうですよ!桂さんや地域の若者も、受付を手伝うことがあるので、その時々の番台での会話も楽しみのひとつに加わりますね。これからも千鳥温泉を原点に梅香地域におもしろい動きやコミュニティが広がりそうです!

f:id:konohana-machikyou:20210916092007j:plain

番台

○桂さん流!千鳥温泉の入り方

風呂屋さんが大好きな桂さんオススメの入浴方法は…千鳥温泉の温度高めな熱いお風呂に浸かって汗をかいて、水風呂に入る。

「温冷交替浴を楽しんで欲しい!」とのことです☆

千鳥温泉HP

Twitter@jitenshayu

 

追記:2022年10月号の広報このはなに千鳥温泉が掲載されていました☆