人生の立ち直りを手助けし、見守る保護司の活動

地域で活動するボランティアには様々な役割や名前がついています。さて、みなさんは、「保護司(ほごし)」って聞いたことはありますか?また、どんな活動をしているか知っていますか??

今回、「保護司」の日ごろの活動を知るため、此花会館/梅香殿にある「此花地区保護司会・更生保護サポートセンター」を訪問しました。此花地区保護司会会長の久田さん、同じく保護司会の役員である中村さんと向井さんに出迎えて頂きました!

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左から向井さん、中村さん、久田さん

 

○保護司の活動とは?

「保護司」は犯罪をした人や非行のある少年(保護観察者と呼びます)の立ち直りを地域で支えるボランティアです。現在、此花区では、29名の方が保護司として活動しています。

普段の活動は、保護観察所から依頼のあった保護観察者と定期的に面接を行い、再び罪を犯すことのないよう生活上の助言や就労の手助け等をしています。聞いていると、何となく難しそうな活動だな~と感じますが、活動をする上で困ったことがあるときは保護観察所の方がサポートしてくれるので、特に難しい活動ではないとみなさん口々に仰っています。

基本的に、保護観察者の自宅に近い保護司が担当します。そのため、時期によっては複数の人を担当することもあり、面接が続く時期もあるそうです。その時は少し大変ですが「人がいい方向に変わっていくのを見届けることができることが楽しい」「社会に送った後、近所でばったり会って、奥さんや子どもを紹介してくれたことがうれしかった」など、それぞれのやりがいを見つけておられます。

久田さんからは、「此花区の保護司の中で活動が嫌で辞めた人は聞いたことがない」と教えてくれました。

それ以外の活動は、犯罪や非行のない地域づくりのための「社会を明るくする運動強化月間」として、毎年7月にはのぼり旗の設置や講演会などの啓発活動を行っています。(昨年度・今年度の講演会はコロナ禍で中止)

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今年度は7月1日~31日にのぼり旗と横断幕を設置

 

他に、区内の中学校と連携した活動も行っています。此花区の中学生から募集する「非行防止標語」や社会を明るくする運動強化月間の一環で行っている講演会で中学校の吹奏楽や合唱などで出演してくれているそうです。講演会での演奏はコロナ禍で実施できていませんが、昨年11月に区内の中学生たちと一緒に「犯罪予防啓発活動」を行うことができました。

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伝法ふれあいかわらばん第23号より

 

○保護司になったきっかけ

ここまでは、保護司の活動について聞いてきましたが、みなさんはどういった経緯で保護司となったのでしょうか?

久田さんは、勤めていた会社の繋がりで此花警察と縁があり、警察の方から声を掛けられたことがきっかけで保護司になりました。会社の理解もあり、会社員をしながら保護司として活動できたと言います。

いっぽうで、中村さんと向井さんは、知り合いの方やご家族の方が保護司を引退されたときに引継ぎを頼まれて保護司になったそうです。中村さんは、なんと元警察官!逮捕する側からお世話する側になるという面白い経歴です。

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また、久田さんは保護司会の会長となったことで、お住まいの高見地域から声を掛けられ、地域活動にも関わるようになりました。最初は、地域の会議やイベントに行ったものの、何をすればいいかわからず困っていたそうです。そこで、気持ちを切り替え、もともと趣味である写真をイベント中に撮影していました。それに気づいた地域の役員さんから声を掛けられ、正式に地域の記録係になることになったそうです。撮影した写真は、素敵なポスターになり、地域の憩の家にも掲示されています!

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久田さんが写真撮影をし、レイアウトした地域行事のポスター(一部)

 

○保護司会の悩みごと

現在、此花地区保護司会では、新たな保護司のなり手がいない、という人材不足が大きな課題となっています。区内の中学校でPTA役員を経験された方に声を掛け、新たに保護司になってくれる人もいますが、保護司は76歳になると定年を迎え、引退しなければなりません。新たに保護司になってくれる人がいる以上に定年を迎える人が多く、追い付かないそうです。

「私ももうすぐ定年。バトンタッチに向けて保護司の活動をPRし、なり手を増やしたい」と久田さん。中村さんや向井さんからは「人と話ができる人であれば誰でもできるボランティア活動なので、気軽な気持ちで関わってもらえたら」とお話いただきました。

現在、コロナ禍で区や地域行事が開催されていないので、保護司の活動をPRする機会がほとんどありません。そこで、広報このはな7月号では「社会を明るくする運動」の広報と合わせ、保護司を募集する記事も掲載してもらいました。

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広報このはな令和3年7月号の記事

 

此花区が安心・安全な地域になるための活動の一端を担っている保護司のみなさん。お話を聞いていると、やりがいを感じながら日々活動されている様子がひしひしと感じられました!